ヨシタケノート
それぞれの東京タワー
遅ればせながら『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』読みました。以前から本は購入してあったんですが、仕事柄、年末から3月までが繁忙期だったので、読書する余裕も無かったんです。最近では『東京タワー』がドラマ化されたり、映画化されたりしているようで、ここ数日で一気に読みました。
小生は九州・鹿児島で高校まで過ごし、大学進学で東京に出てきました。それこそ、長渕剛の『とんぼ』みたいに『薄っぺらのボストンバック 北へ北へ』と『花の都大東京』にやってきました。
あれから、早20年近くが経過し、故郷で過ごした時間よりも多い時間をこの東京で過ごしています。小生が税理士を目指し、大学から大学院へ進学し、他人よりも学生時代が長かったものの、オトンとオカンは『あんたの好きなようにせんね。』と応援してくれました。同郷の友人達の多くは東京で大学時代を過ごした後に鹿児島へ帰って行く中、小生は東京で夢を追い続けることができたんです。
いよいよ税理士資格を取り、税理士事務所での約3年の修行が終わって、さあ独立か、という時にオカンが脳梗塞で倒れました。独立への不安感や、『いずれは鹿児島に帰らんといかんかも…』、といった状況下で、一時は独立をあきらめかけたんですが、病床のオカンから『あんたをそげん弱か男に育てた覚えはないがね。泣こよっかひっ飛ばんね。』と言われて背中を押され、思い切って独立しました。
それから、10年近くが経ち、小生の税理士事務所も数名のスタッフとともにそれなりの形にはなり、数十社のクライアント企業のために日々仕事に取り組んでます。ちょっと遅めだったけど、鹿児島の高校時代の同級生と一昨年結婚し、昨年は娘を授かりました。
小生を東京へと送り出してくれた故郷のオトンとオカンは、病気などしつつも幸い健在でいてくれています。小生の税理士事務所のクライアント企業が数社鹿児島にいらっしゃるので、年に4〜5回は鹿児島出張し、その度にオトンとオカンと会い、食事に連れて行ったり、娘のビデオなど見せたりしています。
ひたすら下積みで暗く、海外旅行さえも行かなかった20歳台からは想像も出来ないほど、今は家族・スタッフとともに充実した日々を過ごしていますが、リリーさんも言っていた『いつかやってくる日』は確実に近づいているんですよね…。そんなことは考えたくもないし、考えると苦しくなってきます。
『東京タワー』を読んでいて、小生もリリーさんと同じ九州出身で、世代的にも近いため、筑豊時代の部分は笑いをこらえたりしながら読めたんですが、正直、東京での部分は自分と重なる部分が多く、読み進めていくにつれ胸が苦しくなりました。
親に対する孝行はどれだけやっても『あれをすればよかった。こう言えばよかった。』と、後悔してしまうものなんだろうけど、今は自分の出来る精一杯をやっていきたいと思いました。
みんなそれぞれの『東京タワー』があるんですよね…。


